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リバース・スピーチ技術は、ヒトの無意識(深層意識)を覗き見ることを可能とし、
顕在意識下では探り得ない情報を露わとする。
そのため、既に医療の分野での画期的な療法として、
自己啓発のための強力なツールとして、仕事やプライベートで重要な決断を下すためのツールとして、
役立てられている。
無意識は、自身のことをほぼすべて知っている。
それは、自分の好き嫌いを知っていて、感情的・心理的な要求を理解している。
それは、何が自分に病気をもたらしているのかを知っていて、
心理的・肉体的な様々な問題の解決法ですら知っている。
無意識は前もってプログラムされた(自ら課した)行動パターンに従うため、
自分の人生を規定して、時に成功すら阻害することもある。
オーツ氏は自らのリバース・スピーチ技術でヒーリングに成果を発揮している。
例えば、ある女性は自分の人生に前向きに生きていこうと話していたが、リバース・スピーチでは
【私は新たな悲痛を求めている(I am wanting new grief)】と言っていた。
起業したいと考えているビジネスマンからは、
【俺は馬鹿だ。またくだらないことを追い求めている。(I am stupid. Following new muck.)】
というリバース・スピーチが、またある女性からは、
【私は苦痛を必要としている(My need for pain.)】というリバース・スピーチが発せられていた。
これらのケースは、無意識が意識的な欲求を妨げ、否定的な思考パターンに
従ってしまっていることを示している。
では、どのようにして無意識による妨害作用に対処し、結果を変えるのか?
オーツ氏によれば、正しい「問い」が発せられれば、リバース・スピーチは
この妨害作用を変える方法すら示してくれるのだという。
例えば、自身が経済的に困窮していることを話したある女性は、
リバース・スピーチでは【私の悲痛に働きかける(Work on my grief)】と発していた。
また、自身が抱えていた鬱状態の改善について語った女性の場合は、
【もっと日光が必要(Need more sunlight)】だとリバース・スピーチで発していた。
つまり、両者とも、無意識が直接話しかけ、抱える問題に対する解決法を与えていたのだ。
時に不吉なケースもある。ある女性は結婚生活の改善について語った際、
【あなたが生きている間に愛を取り戻しなさい(Heal the love while you're living)】
というリバース・スピーチを発していた。
これは切迫したメッセージだったようで、数日後、その女性は家庭争議であわや殺されそうになったのだ。
それは、まるで啓示のように適切な時期に現れていたのである。
リバース・スピーチは、ピンポイントで問題の核心を突いてくることもある。
例えば、異性関係に繰り返し失敗することを漏らしていたある女性のリバース・スピーチには、
【私は性的虐待を受けてきた(I have been molested)】と現れていた。
彼女は、過去の出来事によって異性関係を健全に長続きさせることができずにいたのが分かったのだ。
また、愛を求めていたある男性は、簡潔に【幼年時代(The childhood)】とリバース・スピーチを
発しており、幼年期に十分な愛を受けられずに育ってきたことが浮き彫りとなった。
そのため、オーツ氏は専門のセラピストに会うよう彼に的確な助言をすることができた。
また、オーツ氏自身、一緒にビジネスを行なおうと考えていた人物がいたが、
その人物から【私は嫌でたまらない(I'm so full of shit.)】というリバース・スピーチが得られ、
一緒にビジネスを行うべき相手ではないことを明確に悟った経験を持っている。
オーツ氏はリバース・スピーチのコンサルティングを提供してきたが、
タスマニアのクライアントの一人はビジネスにおいて産業スパイのリバース・スピーチに警告された。
また、シドニーのあるクライアントは、特定の投資に対してリバース・スピーチが警告してくれたことで、
数千ドルものお金を無駄にせずに済んだ。
一方、リバース・スピーチのアドバイスを無視して、数か月後にはベンチャーの失敗で
大金を失った人もいるという。
このように、自身のリバース・スピーチに耳を傾けることは幅広い分野で極めて建設的である。
無意識からの声は、ある人にとっては、守護霊、魂(ソウル、スピリット)、
ハイアーセルフといった存在からの声と同様に重い意味を持つのだ。
リバース・スピーチは、自身を客観視して、トラウマを癒し、自己啓発に役立つ強力なツールと言えるだろう。
⇒ RSが文化形成に関与!? (次項)
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